髭脱毛後の赤みはいつまで続く?おもな4つの原因と正しい対処法を解説

髭脱毛を受けたあと、肌が赤くなり不安を感じていませんか?
髭脱毛後の赤みは多くの場合、脱毛の熱による一時的な反応ですが、放置したり対処を間違えたりすると、症状が長引く可能性があります。
本記事では、髭脱毛後に赤みが出るおもな原因と、赤みが続く期間の目安、ご自宅でできる正しい対処法を解説します。
赤みが出やすい人の特徴や予防策も説明するため、これから髭脱毛を始める方にも役立つ内容です。
目次
髭脱毛後に赤みが出る4つのおもな原因
髭脱毛後に赤みが出るのは、脱毛の仕組みによる正常な反応から肌トラブルのサインまで、さまざまです。
ここでは、赤みを引き起こす4つの原因を解説します。
- レーザーや光の熱による正常な炎症
- 毛穴に細菌が入る毛嚢炎(もうのうえん)
- 毛が濃く太い部位への強い反応
- まれに起こる火傷やアレルギー反応
それぞれ見ていきましょう。
レーザーや光の熱による正常な炎症
医療レーザー脱毛や光脱毛は、毛の黒い色素(メラニン)に熱エネルギーを反応させ、発毛組織にダメージを与える仕組みです。
髭は毛が太く密集しているため、強い熱エネルギーが必要になります。
その際、毛根だけでなく周辺の皮膚にも熱が伝わり、軽い炎症が起こります。
これが赤みやヒリヒリ感の正体です。
この症状は、熱が加わったことによる正常な反応であり、日焼けに似た状態といえます。
とくに毛量が多い初期の段階では多くの方に見られる症状であり、脱毛が効いている証拠ともいえるでしょう。
毛穴に細菌が入る毛嚢炎(もうのうえん)
髭脱毛後に見られる「赤いぶつぶつ」は、毛嚢炎(もうのうえん)と呼ばれる皮膚の感染症かもしれません。
毛嚢炎は、脱毛の熱によって肌のバリア機能が一時的に低下します。
そして、毛穴が軽い火傷状態になったところに、皮膚の常在菌(ブドウ球菌など)が入り込んで炎症を起こした状態です。
ニキビと似ていますが、毛穴を中心に赤く腫れ、ときには膿を持つこともあります。
とくに皮脂分泌が多い顔や、蒸れやすい部位に発生しやすいとされています。
痛みやかゆみを伴う場合もあり、通常の赤みとは異なる対処が必要です。
毛が濃く太い部位への強い反応
髭脱毛で赤みが出やすい理由の1つに、髭の特性が関係しています。
髭はほかの部位の毛と比較して、1本1本が濃く、太いのが特徴です。
脱毛レーザーや光は、黒いメラニン色素に強く反応するため、濃くて太い毛が密集している髭は、より多くの熱エネルギーを吸収します。
その結果、皮膚が受ける熱の総量も多くなり、炎症反応が強く出やすくなります。
赤みや腫れがほかの部位より目立つのは、それだけ毛根が熱に反応しているためともいえるでしょう。
まれに起こる火傷やアレルギー反応
ほとんどの赤みは一時的な炎症ですが、ごくまれに火傷やアレルギー反応が起きている可能性もあります。
火傷は、施術時の出力設定が肌の状態(たとえば日焼けした肌)に合っていない場合や、肌が極度に乾燥している場合に起こり得ます。
通常の赤みと異なり、水ぶくれができたり皮膚がただれたり、強い痛みを伴ったりするのが特徴です。
光線そのものや、施術時に使用するジェルなどに対してアレルギー反応(蕁麻疹など)を起こす場合もあります。
これらの症状が出た場合は、セルフケアで様子を見ず、すぐに施術を受けたクリニックへ連絡してください。
髭脱毛の赤みはいつまで続く?正常な反応と危険なサイン
髭脱毛後に赤みが出ると「この赤みはいつまで続くのか」と不安になる方は多いでしょう。
赤みが続く期間は、その原因によって異なります。
ここでは、症状別の期間の目安と、医療機関を受診すべき危険なサインの見分け方を説明します。
- 数時間から3日で治まる一時的な赤み
- 髭脱毛の赤いぶつぶつは1週間から2週間続くことも
- 3日以上赤みが消えない場合はクリニックへ
- 水ぶくれや強い痛みは火傷の可能性
詳しく見てみましょう。
数時間から3日で治まる一時的な赤み
髭脱毛の施術によって起こる、レーザーや光の熱による一時的な炎症(ヒリヒリ感や熱感)は、多くの場合施術当日をピークに徐々に落ち着いていきます。
通常であれば、数時間から長くても3日程度で自然に赤みは引いていきます。
この期間は、肌が軽い日焼けをしたような状態ですので、冷却や保湿を心がけ、なるべく刺激を与えないように過ごすことが大切です。
3日を過ぎても赤みが引かない場合や、反対に悪化しているように感じる場合は、ほかの原因が考えられるため注意が必要です。
髭脱毛の赤いぶつぶつは1週間から2週間続くことも
毛嚢炎(もうのうえん)を発症した場合、赤みが引くまでの期間は通常の炎症反応よりも長くなります。
毛嚢炎は細菌感染による炎症であるため、治癒には1週間から2週間程度かかることが一般的です。
「髭脱毛の赤みが1週間消えない」という場合、この毛嚢炎の可能性が疑われます。
症状が軽度であれば自然に治ることもあります。
しかし、赤いぶつぶつが広範囲に広がったり、膿がひどくなったりした場合は、放置すると色素沈着やニキビ跡の原因にもなりかねません。
早めにクリニックで適切な処置を受けることをおすすめします。
3日以上赤みが消えない場合はクリニックへ
施術後3日以上経過しても赤みが一向に引かない、またはかえって悪化しているように感じる場合は、何らかの肌トラブルが起きている可能性があります。
正常な炎症反応であれば、ピークを越えて徐々に落ち着いてくるはずです。
赤みが長引く原因として、炎症が強く出すぎていることや、無意識に掻いてしまって刺激を与えていることなどが考えられます。
不安な状態で様子を見続けるよりも、まずは施術を受けたクリニックやサロンに連絡して指示を仰ぎましょう。
専門家の視点から、適切なアドバイスをもらえます。
水ぶくれや強い痛みは火傷の可能性
赤みと同時に、水ぶくれ(水疱)や皮膚のただれ、触れるだけで飛び上がるような強い痛みがある場合は、火傷(熱傷)が疑われます。
これは脱毛の熱による正常な反応の範囲を明らかに超えています。
火傷は、放置すると症状が悪化し、跡が残ってしまうリスクが高い状態です。
冷却などの応急処置も必要ですが、まずは一刻も早く施術を受けたクリニックに連絡し、医師の診察を受けてください。
クリニックでは、火傷の状態に応じた適切な薬剤の処方や処置を行ってもらえます。
髭脱毛で赤みが出たときの応急処置と正しいアフターケア
髭脱毛後に赤みが出た場合、そのあとのケア次第で赤みの引き方や肌トラブルのリスクが大きく変わります。
ここでは、赤みが出た直後にご自宅でできる応急処置と、正しいアフターケアの方法を4つ解説します。
- まずは清潔なタオルや保冷剤で冷やす
- 保湿ケアで肌の回復を促す
- 肌を清潔に保ち刺激を避ける
- 紫外線対策を徹底する
それぞれ見ていきましょう。
まずは清潔なタオルや保冷剤で冷やす
髭脱毛後に赤みやヒリヒリ感がある場合、もっとも優先すべき応急処置は「冷やす」ことです。
赤みの正体は熱による炎症ですので、冷却することで血管を収縮させ、炎症を鎮静化できます。
ただし、冷やしすぎは脱毛効果を損ねる可能性もあるため注意しなければいけません。
清潔なタオルやガーゼで保冷剤を包み、赤みのある部分に優しく当てましょう。
1回10分から15分程度を目安に、ヒリヒリ感が和らぐまで数回繰り返します。
氷や保冷剤を直接肌に当てると凍傷のリスクがあるため、必ず布を一枚挟んでください。
保湿ケアで肌の回復を促す
脱毛後の肌は、レーザーや光の熱によって肌内部の水分が奪われ、乾燥しやすい状態になっています。
肌が乾燥すると、外部の刺激から肌を守る「バリア機能」が低下し、さらなる肌トラブルを招いたり、赤みが長引いたりする原因となります。
冷却して熱感が落ち着いたら、低刺激の化粧水や乳液、保湿クリームなどを使って、いつも以上に徹底的に保湿ケアを行ってください。
肌の水分量を補い、バリア機能をサポートすることが、肌の回復を早め、炎症後色素沈着(シミ)を防ぐことにもつながります。
肌を清潔に保ち刺激を避ける
脱毛後の肌はデリケートなため、雑菌が侵入しやすい状態です。
とくに毛嚢炎を予防するためには、肌を清潔に保つことが重要です。
ただし、施術当日は湯船に浸かるのは避け、ぬるめのシャワーで優しく洗い流す程度にしてください。
洗顔ときも、ゴシゴシと強くこするのは厳禁です。
タオルで水分を拭き取る際も、優しく押さえるようにしましょう。
また、マスクの着用による摩擦も肌への刺激となり、炎症を悪化させる可能性があります。
できるだけ肌に余計な刺激を与えないよう注意して過ごしてください。
紫外線対策を徹底する
脱毛後の肌は、紫外線の影響を受けやすい状態になっています。
炎症を起こしているデリケートな肌が紫外線を浴びると、炎症が悪化するだけではありません。
メラニン色素が過剰に生成され、「炎症後色素沈着」としてシミが残ってしまうリスクが飛躍的に高まります。
赤みが出ている期間はもちろん、脱毛期間中は季節や天候を問わず、紫外線対策を徹底することが不可欠です。
低刺激の日焼け止め(SPF30/PA+++以上推奨)を塗る、帽子や日傘を利用するなどして、肌を紫外線から守りましょう。
髭脱毛で赤みが出やすい人の特徴
髭脱毛後の赤みの出やすさには個人差があります。
同じ施術を受けても、赤みが強く出る人と、ほとんど出ない人がいるのは、肌質や毛質が影響しているためです。
ここでは、髭脱毛で赤みが出やすいとされる4つの特徴を紹介します。
- 肌が乾燥している人
- 敏感肌やアトピー体質の人
- 毛が濃く密集している人
- 日焼けしている人
ご自身が当てはまるかチェックしてみてください。
肌が乾燥している人
肌が乾燥している人は、髭脱毛で赤みが出やすい傾向です。
肌が乾燥していると、皮膚の水分量が不足し、外部からの刺激を守る「バリア機能」が低下した状態になっています。
バリア機能が低下した肌は敏感な状態です。
脱毛のレーザーや光による熱エネルギーという強い刺激を受けると、正常な肌よりも炎症反応が起こりやすくなります。
乾燥した肌は施術の痛みも感じやすくなる傾向があるため、普段から保湿ケアを徹底し、肌の潤いを保っておくことが、赤みの予防につながります。
敏感肌やアトピー体質の人
敏感肌やアトピー性皮膚炎の体質の人は、そうでない人に比べて肌のバリア機能が元々弱い傾向にあります。
そのため、脱毛の光や熱による刺激に対して過敏に反応しやすく、赤みやかゆみ、ヒリヒリ感といった症状が出やすいといえます。
ただし、肌の状態が安定していれば施術自体は可能な場合がほとんどです。
しかし、炎症が起きている部位やステロイド軟膏を塗布している部位は、施術を避けなければならない場合もあります。
必ず契約前に医師のカウンセリングを受け、ご自身の肌質について正確に申告し、相談することが賢明です。
毛が濃く密集している人
髭脱毛で赤みが出やすい人の特徴として、毛が濃く太く、密集していることがあげられます。
これは、脱毛レーザーや光が、毛の黒い色素(メラニン)に反応する仕組みに基づいています。
毛が濃く太いほど、また密集しているほど、レーザーが反応するメラニンの量が多くなるからです。
その結果、発生する熱エネルギーも大きくなり、毛根周辺の皮膚に伝わる熱ダメージも強くなります。
そのため、毛が薄い人よりも炎症反応が強く起こり、赤みや腫れが出やすくなります。
とくに髭脱毛の初期段階では、この傾向が顕著です。
日焼けしている人
日焼けしている肌は、髭脱毛で赤みや火傷のリスクが高くなるため厳禁です。
脱毛レーザーは毛の黒い色素だけでなく、日焼けした肌のメラニン色素にも反応してしまいます。
その結果、毛根だけでなく肌表面にも熱が加わり、強い炎症や火傷を引き起こす原因となりかねません。
安全のために出力を下げざるを得ず、十分な脱毛効果が得られなくなる可能性もあります。
脱毛期間中は、日焼け止めや帽子などで紫外線対策を徹底し、肌を日焼けさせないよう細心の注意を払ってください。
髭脱毛後の赤みを防ぐための予防策
髭脱毛後の赤みは、施術後のケアだけでなく、施術前から日常生活で気をつけることである程度予防することが可能です。
ここでは、赤みを未然に防ぐための3つの予防策を説明します。
- 脱毛当日の飲酒や運動など血行を促進する行為を避ける
- 規則正しい生活で免疫力を高める
- 自己処理は肌に優しい電気シェーバーを使う
予防策を習慣にし、肌トラブルのない快適な脱毛を目指しましょう。
脱毛当日の飲酒や運動など血行を促進する行為を避ける
髭脱毛の施術当日は、飲酒や激しい運動、サウナ・湯船での入浴といった血行を促進する行為は避けてください。
脱毛後の肌は、熱がこもり軽い炎症を起こしている状態です。
ここで体温を上昇させ血行をよくしてしまうと、炎症がさらに悪化し、赤みやかゆみが強く出たり、長引いたりする原因となります。
施術当日は、肌を落ち着かせることを最優先に考え、ぬるめのシャワーで済ませ、安静に過ごすよう心がけましょう。
これは赤みを防ぐための基本的な予防策です。
規則正しい生活で免疫力を高める
肌の健康は、体全体の健康状態と密接に関連しています。
睡眠不足や栄養バランスの乱れ、ストレスなどによって体の免疫力が低下すると、肌のバリア機能も低下しがちです。
肌のコンディションが万全でない状態で脱毛の刺激を受けると、赤みが出やすくなるだけでなく、毛嚢炎などの細菌感染も起こしやすくなります。
規則正しい生活を送り、十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけることは、肌の免疫力を高め、健康な肌状態を維持するために大切です。
自己処理は肌に優しい電気シェーバーを使う
脱毛期間中の自己処理方法も、赤みの予防に影響します。
カミソリや毛抜きでの自己処理は避けてください。
カミソリは、毛と一緒に肌表面の角質まで削り取ってしまい、肌のバリア機能を低下させます。
毛抜きは、脱毛ターゲットである毛根をなくしてしまい脱毛効果が得られなくなるだけでなく、毛穴を傷つけ毛嚢炎の原因にもなります。
脱毛期間中の自己処理は、肌への負担がもっとも少ない電気シェーバーを使用してください。
施術前の剃毛も、電気シェーバーで優しく行うことが赤み予防の第一歩です。
まとめ:髭脱毛後の赤みは適切なケアで対処しよう
髭脱毛後の赤みは、適切な対処をすれば数日で治まることがほとんどです。
しかし、脱毛には一時的な赤みやヒリヒリ感、毛嚢炎(もうのうえん)といった肌トラブルのリスクが伴います。
万が一、赤みが長引いたり肌荒れが起きたりした場合は、自己判断せず速やかに専門家へ相談すると安心です。
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髭脱毛後の赤みやアフターフォローにご不安がある方は、ぜひSK CLINICへご相談ください。
この記事の監修者

中山 紗江
美容皮膚科、SK CLINIC院長
日本医学脱毛学会 医師会員
《プロフィール》
琉球大学医学部医学科卒業後、横浜市立大学附属病院勤務を経て、社会福祉法人で産業医および老健施設の施設長を兼務。
銀座の美容皮膚科クリニックの院長を経て、恵比寿にヒゲ脱毛、シミ取り等レーザー治療に特化した美容皮膚科SK CLINICを開設。現在SK CLINIC院長。
《経歴》
2012年 琉球大学医学部医学科学士編入学
2017年 琉球大学医学部医学科卒業
2017年 大和市立病院勤務
2018年 横浜市立大学附属病院勤務
2019年 銀座の美容皮膚科クリニック勤務
社会福祉法人 嘱託産業医勤務
老健施設 施設長兼務
2021年 SK CLINIC院長就任







